かつお節以外の魚の出汁はある? ①節編

「出汁」というと皆さんはどのくらいの種類をご存じですか?
普段はかつお節の出汁に慣れ親しんでいる方も多いと思いますが、実はカツオ以外にもさまざまな魚を使った節があるのです。
それぞれに味わいの違いがあるので、料理によって使い分けることでより深みのある味になります。

かつお節
一般的なかつお節はマガツオを原料にしています。
香りが強く、すっきりしながらも強い旨味の出汁が特徴です。
※写真は本枯節(カビ付けして熟成させたもの)です。

宗田節
同じカツオでも、ソウダガツオを節加工したものです。
先味が強く、やや酸味がある出汁が特徴です。
※写真は宗田枯節(カビ付けして熟成させたもの)です。

さば節
主にゴマサバを節加工したものです。
香りは控えめですが、コクと甘みがある出汁が特徴です。
※写真はさば枯節(カビ付けして熟成させたもの)です。

うるめ節
ウルメイワシを節加工したものです。
カビ付けにより熟成した枯節は製造されておらず、関西エリアを中心に荒節(裸節)が使用されています。
甘みがある出汁が特徴で、温かいおつゆとの相性が特に良いです。

むろあじ節
ムロアジを節加工したものです。
カビ付けにより熟成した枯節は製造量が少なく、中京エリアを中心に荒節(裸節)が使用されています。
さば節と同様にむろあじ節特有の甘みがある出汁が特徴です。

さんま節
サンマを節加工したものです。
カビ付けにより熟成した枯節は製造されておらず、ラーメン店を中心に荒節(裸節)が使用されています。
やや淡泊ですが、さんま節特有の甘みがある出汁が特徴です。
五十嵐鰹節は長らく、老舗の蕎麦屋やラーメン屋、和食店向けに業務用の削り節を販売してきました。
そうした専門店では料理に合わせてさまざまな出汁を使い分け、ときには複数の素材を組み合わせて、味の奥行きをつくり出しています。