【第3回】守岡実里子さんコラム「出汁と調味料の配合は!?簡単に和食上手になる知っておきたい黄金比!!」

出汁と調味料の配合は!?簡単に和食上手になる知っておきたい黄金比!!

私達日本人の和食にはなくてはならない存在のお出汁ですが、近年ではきちんとお出汁を取ってお料理を作る家庭が少なくなってきています。
その理由には出汁の使いこなし方が分からない、味付けの配合が分からずに煮物が上手に作れないという人も少なくないようです。

「塩梅」と和食

日本語には塩、梅と書いて「塩梅(あんばい)」と読む言葉がありますが、料理を美味しいと感じるのも、美味しくないと感じるのも塩加減と言われています。
一般的には人間の血液の塩分濃度は約0.85%と言われていて、同じくらいの塩分濃度が美味しく感じると言われていますが、出汁にはうま味があるため、出汁を使うことで少なめの塩分でも美味しく感じ、コクや味わいに奥行きを出すことが出来ます。
料理を美味しくするためにはこの「塩梅」が大切で、塩分と出汁の組み合わせの「塩梅」を知っていると料理は一段と美味しくなります。
和食の基本的なお出汁を調味料の比率(=塩梅)を知っておけば、和食上手になることは間違いなさそうです。

お吸い物と出汁の比率

出汁60:薄口醤油1:塩少々
ハマグリのお吸い物などの一般的なお吸い物に使えます。

一般的な煮物と出汁の比率

出汁10:みりん1:薄口醤油1
筑前煮、や野菜の煮物など、多くの煮物に使える合わせ調味料です。
だし汁の比率が多いことから、味が薄く感じるかもしれませんが、煮物は煮詰めることで味が濃
くなります。

煮浸し

出汁15:みりん1:薄口醤油1
油揚げや小松菜の煮浸しなどによく使われます。

揚げ浸し

出汁6:みりん1:濃口醤油1
茄子や野菜、豆腐の揚げ浸しなどに活用出来ます。

天つゆ、盛りそば・うどん、丼もの

出汁4:濃口醤油1:みりん:1
天つゆのほか、そば、うどんのつけつゆ、カツ丼などの味付けにも使えます。
丼ものには甘めの味が好みの場合は砂糖、酒を少し加えます。

おでん・寄せ鍋

出汁12:みりん1:濃口醤油1

基本の配合を軸に調整を

もう少し甘い方がいい、辛い方がいいという場合は基本の配合を軸にして調味料を足したり、出汁をしたりして微調整します。
煮物は煮る間に煮詰まって味が濃くなっていくので、最初に判断せずに、煮が沸騰して具材をしばらく煮てから判断するようにしましょう。

煮物を調味する際の基本「さ・し・す・せ・そ」

料理の「さしすせそ」とは、さ=砂糖、し=塩、す=お酢、せ=醤油、そ=味噌のことを指しており、この順番で調味料を足していくと、風味を崩さず、おいしく仕上げることができると言われています。
砂糖は塩よりも食材に染み込むのに時間がかかるため、砂糖→塩の順番、酢や醤油、味噌は長時間火にかけると酸味や風味が飛んでしまうため、調理の後半に加えたほうが良いとされています。
なお、「さ・し・す・せ・そ」に含まれていない「みりん」は、砂糖の前に加えると良いでしょう。

出汁を使った煮物のポイントは火加減

出汁の美味しさを生かすも殺すも火加減次第。煮物の場合は、煮汁が沸騰するまでは強火ですが、沸騰したら中火~弱火に火加減を弱めてコトコト煮ます。
煮物の鍋は底が広く、少し深めの鍋が向いています。具材の分量に応じてちょうどいいサイズのものを選びましょう。