【第4回:守岡実里子さんコラム】素材別出汁のとり方まとめ

素材別出汁のとり方 まとめ
和食の美味しさの基本ともいえる”出汁”。だからこそ、本物の出汁にこだわりたいもの。
せっかく出汁からお料理をするなら、美味しい出汁を取って料理をしたいものです。
少し手間をかけて出汁を取るだけで味わいが良くなり、「丁寧な料理」という感じがします。
出汁のとり方は様々で、基本はあっても「これが正しい」というものはなく、色々な料理の本に書かれてい「出汁のとり方」も微妙に違う部分があります。
料理人によっても出汁の取り方はそれぞれに工夫をされたり、使っている食材との相性を研究し、独自の取り方をされています。
ここでは家庭で簡単に出来る一般的な出汁の種類と取り方をご紹介します。
鰹・昆布出汁 一番だし
鰹節のうま味成分イノシン酸と、昆布のうま味成分グルタミン酸を合わせたうまみのしっかりしたお出汁です。
香り高く澄んだ色の上品な出汁で、お吸い物、すまし汁、腕などに最適です。
水1リットルに鰹節30g、昆布10~15g
- 水と昆布を鍋に入れ火にかけます。
- 沸騰する直前に昆布を引き上げます。
- 沸騰したら少量の水を加え沸騰を抑えて削り鰹を一度に加えます。
- 再び沸騰し始めたら火を止め、削り鰹が沈みかけたらアクを取ります。
- ふきんなどをざるに敷き、静かに濾します。
鰹・昆布出汁 二番だし
煮物やうどん、そばつゆなどに使う濃厚なだしです。
水1リットルに一番出汁の材料、追い鰹15g
- 水と1番だしをとった後の鰹節と昆布を鍋にいれて火にかけます。
- 沸騰したら弱火にして、約10分くらい煮出します。
- 火を止めたら香りづけのために鰹節を10グラム入れて1~2分おきます。
- ふきんなどをざるに敷き、静かに濾します。鰹節を絞るとえぐみが出るので注意してください。
昆布出汁 水出し法
水1リットルに昆布15g
水に昆布を浸し、一晩(7~8時間)浸けておきます。
昆布出汁 煮出し法
水1リットルに昆布10~15g
- 昆布の表面を、固くしぼったふきんなどでさっと拭きます。(水洗いはしない)
- 水とともに鍋にいれて弱火で10分ほど煮出す。
- 沸騰直前に昆布を引き上げます。えぐみが出るので昆布を入れたまま煮立たせないように注意してください。
出汁を「引く」と「とる」の違いは?
美味しい出汁を作ることを、出汁を引く、出汁をとるという言い方をしますが、正確な違いはなく同義語として使われています。
料理人によって使い分けも違うようですが、二番出汁のように煮出して材料のうま味をすべて抽出する場合『出汁をとる』といい、一番出汁のように雑味が出る前に必要なうま味だけを取って引き上げるときは『出汁を引く』と言うことがあるようです。