五十嵐鰹節が伝えたいこと

目利きが選ぶよいかつお節とは?

【現地取材①】鰹節生産量日本一の枕崎を訪れる

目利きが選ぶよいかつお節とは? その答えを求めて鰹節生産量日本一の鹿児島県枕崎市を訪れた。枕崎市は、鹿児島県さつま半島の西南端に位置し、台風銀座としても有名で全国にその名を馳せている。

その名の通り訪れた日は、まさに台風が枕崎市を通過する前日。まさに台風銀座の名の通り暴風。枕崎市を一望できる丘から眺める現地は水産都市と言われる地形がであることが容易に理解できる。

かつお節ができるまでの工程

さて、良質のかつお節ができるまでの工程を紹介したい。大きく9つの工程に分類することができる。

①カツオ選定⇒②生切り⇒③籠立て⇒④煮熟・放冷⇒⑤骨抜き⇒⑥水抜き焙乾⇒⑦整形⇒⑧間歇焙乾⇒削り⇒⑨日乾・カビつけ

今日は、①カツオ選定⇒②生切りを紹介したいところだが、訪れた取材先で③籠立て⇒④煮熟・放冷の工程をまさに行っていたので、③籠立て⇒④煮熟・放冷の工程から紹介したい。

③籠立て

「籠立て」とは、②の「生切り」された各節を煮熟するために、籠に並べていく作業のこと。煮籠は現在は金属製のものが使われるのが一般的。それまでは、竹の籠の底に柔らかい生草を敷き、その上にカツオを並ペていたと聞いている。
 「籠立て」はかつおの節を並べるだけの作業ではあるが、並べ方にはとても神経をつかう。ねじれていたり曲がっていると、その状態で煮熟されるために、形の良いかつお節ができ上がらない。

④煮熟・放冷

「籠立て」を終えた煮籠は重ねられ、ウインチでつり上げられてから、湯(80℃くらい)をたたえた煮釜の中で煮熟されることとなる。煮籠を煮釜の中におろしてから、湯の温度を98℃くらいまで上げる。100℃にしない理由は、100℃にしてしまうと釜の底から大きな泡がたち上がり、節が動揺して煮くずれがおきやすくなるからだ。

 煮熟する時間は亀節と本節とで異なる。(※亀節と本節は後日のコラムにて記載予定)亀節は1時間、本節は1時間半が標準になっている。

煮熟の目的は、筋肉中の水分が拡散しやすいように、タンパク質を十分に凝固させること。その結果、よく肉のしまった、また苦味などのくせのない上等なかつお節ができ上がる。窯から上げたばかりの様子はいつみても圧巻。職人たちの長年の経験と勘がかつお節作りを支えている。

煮熟し終えたら、煮釜から煮籠をとりだし、風通しのよい所に置いて約1時間ほど風にさらす。この作業が「放冷」。これによって身を引き締める。こうしてできた節がなまり節。

今日は、③籠立て⇒④煮熟・放冷までの工程を紹介した。五十嵐鰹節は、全国のかつお節生産者から長年の目利き力で、その時の最良のかつお節を仕入れ、自社工場にて削り消費者のもとに届けている。

今日、紹介した工程だけでもかつお節職人のこだわりや長年の経験・勘をもとに良質のかつお節が作られていることが想像できたかと思う。

このコラムでは、ショッピングページでは語り尽くせないかつお節の深い世界を語り尽くしていきたい。次回以降もぜひ楽しみにして頂きたい。